近年のデスクトップパソコンは、インテル「Core2 Duo」に代表される最新のデュアルコアCPUの搭載がほぼ標準となっているほか、大容量メモリとHDDを採用するモデルが増えており、パソコンとしての基本性能が大きく向上しているのが特徴です。高いマシンスペックが求められるマイクロソフトの最新OS「Windows Vista」をサクサクと動かせるスペックを持ったモデルが多くなっており、従来のWindows XPパソコンからの買い替えを考えている方にとっては、安心して購入できる充実したラインアップとなっています。
ちなみに、デスクトップパソコンでWindow Vistaをよりストレスなく使うためには、デュアルコアCPU(Core2 Duo、Athlon 64 X2など)と2GBメモリが、スペック面でひとつの基準になります。メモリウィンドウを半透明で表示したり、3D表示でウィンドウを切り替えたりできる新インターフェイス「Aero」を採用したVistaでは、CPUの処理速度も大事ですが、メモリ容量のほうがより重要になります。ノートパソコンの場合は、コスト面を考慮して「1GB以上」を基準としたが、デスクトップでは、ぜひ、もうワンランク上の“2GB”を軸にして機種を比較・検討して下さい。特に、近年のデスクトップパソコンは、2GBメモリを搭載したモデルが多く登場しているので、今Vistaパソコンの購入を考えている方は絶好のチャンスです。
機能面では、地上デジタルハイビジョン放送の視聴・録画機能に注目。20万円を切るようなスタンダードモデルにおいてもハイビジョン放送を楽しめる機種が続々と登場しています。ノートパソコンでは、AV機能が充実したハイエンドモデルにテレビ機能が搭載されていますが、さすがにスタンダードモデルでは、デスクトップに比べるとまだまだ搭載モデルが少ないです。また、NEC、富士通といった国内メーカーだけでなく、デルやゲートウェイなどの海外メーカーが、地上デジタル放送対応モデルをリリースしているのも興味深い点です。
「机の上にすっきりとパソコンを設置したい」「デザイン性にすぐれるパソコンを買いたい」と考えている方であれば、液晶モニタとパソコン本体部が一体となった「液晶一体型モデル」を選んでみては如何でしょうか。ワイヤレスタイプのキーボードやマウスを採用したものがほとんどで、付属品も含めて設置性の高さを重視しているのが特徴です。なかでも、液晶モニタが19インチ以下のモデルは、特に設置性が高いです。インターネットやメールの利用が中心というライトな使用方法中心で考えるのであれば、デザイン的にすぐれた製品も多く、これらのモデルを選ぶのはよい選択といえます。
デスクトップPCに続き、近年は、ノートPCもこの新OSへの移行が本格的になる時期といえます。 Windows Vistaでは、3Dや半透明処理が特徴的なユーザーインタフェイス「Windows Aero(エアロ)」をはじめ、強化されたセキュリティ対策やバックアップ機能など、バックグラウンドで動作するプログラムが多いです。そのため、Windows XP環境で快適に動作するスペックのマシンが、Windows Vistaではサクサクと動作することができず“ストレスを感じる”と言う声を多く耳にし、まだ“待ち”かな?と考えていた人も多いことでしょう。
ところが、近年Windows Vista搭載モデルが“買い時”になってきました。Windows Vistaが快適に動作するスペックのモデルが幅広い価格帯で豊富に登場したからです。では、Windows Vistaがサクサク動くスペックは、どのようなものか。ノートPCでは、CPUは「デュアルCPU」、メモリは「1GB以上」というスペックをパソコン選びの新基準としておけば安心でしょう。デュアルコアCPUとは、見た目は1つでも、中には演算処理を行うCPUコアが2つ搭載されているCPUのこと。複数のコアに処理を分担させることにより、性能の向上や処理の高速化が可能になる。たとえば、銀行で、窓口が1つの場合より2つのほうが多く対応でき待つほうも待ち時間が少なくなる、といったイメージに近いです。コアを4つもつ「クアッドコアCPU」を採用するハイスペックもモデルも出て参りました。パソコン購入の目的にもよりますが、長く快適に使うことを考えれば、シングルコアに比べ少々価格が高くてもデュアルCPU搭載モデルを選択するのが賢明でしょう。デスクトップPCに比べ割高感の否めないノートPC市場でも、「デュアルコアCPU」「メモリ1GB以上」のモデルがいいでしょう。
さらに、「IEEE802.11n対応機種の登場」も最新事情として抑えておきたいです。無線LANには通信方式が複数あり、今のところ「IEEE802.11a/b/g」の3方式が主流となっています。この3方式は対応製品も多く、また公衆無線LANサービスもほとんどこの方式のため便利ではありますが、実効速度は最大でも30Mbps程度と、“速い”とは言いがたいのが実情です。これに対し、「IEEE802.11n」は、実効速度100Mbps以上。従来の無線LANより大幅にスピードアップが可能な規格です。まだ正式に規格が定まったものではないため「Draft(ドラフト)n」とも呼ばれていますが、無線LAN機器メーカー各社も相次いで対応製品を発売されており、今後、モバイルPCの無線LAN機能の新基準として定着する可能性は高いといわれています。
また、今後さらに増えそうなのは「FeliCaポート」を搭載するモデルです。ソニー製モデルでは以前から標準で搭載されていましたが、秋冬モデルあたりからNEC、東芝、富士通もこの機能を標準でノートパソコンに搭載しています。
トレンドとして顕著なのが、各社ともAV機能の強化に力を入れている点です。地上デジタル放送の視聴・録画機能を搭載するモデルの増加や、地デジチューナーを2つ搭載するWチューナー、モデル、ハイビジョン映像を満喫できる1920×1200ドット高解像度液晶搭載モデルなど、価格こそ高めだがデスクトップPCのAVモデル並みの機能をもつものも登場しました。また、次世代DVD「Blu-ray Disc」「HD DVD」ドライブを搭載するモデルにも注目が集まっています。
最後に、「カラーバリエーション」をトレンドとしてあげておきます。これまで、Web販売限定で“好きな色の天板を選べる”というモデルもありましたが、最近の流行は、本体そのもののカラーバリエーション。その流行の先駆けとなっているのは、NECの「LaVie Lスタンダードタイプ」とソニーの「VAIO type C」。パソコン選びの決め手にはならなくても、選択要素の1つとして楽んでみてはいかがでしょう。ただ、色によって、機能や価格に違いがある場合もあるので、選択時はスペックをよく確認したほうが良いです。また、直販メーカーのカラーバリエーションモデルも豊富に用意されているのでチェックしてみて下さい。